« 乙女本{乙女とギタリスト} | トップページ | 乙女本{悪魔の花束#鈴蘭の章} »

2006.12.24

乙女本{少女の音色}

乙女本:残酷で繊細な乙女に生まれついた貴女の為の物語.

展示即売会*に出品しています.

こちらでは
前回出品作品と、次回出品予定の作品*の一部を
抜粋して、順次掲載していきます.


『少女の音色』より「序」、冒頭

針のような月が雲に隠れて、白く冷たい氷雨が長細い道に落ちゆくと、
先程まで土煙りを舞い上げていた、乾いた地面の姿はなくなりました。
紳士の喪服の裾に濃げ茶の泥飛沫が跳ね上がり、老女の鼻にはつんと濡れた土の匂いが射します。
老女は骨組みの多い黒の傘を広げていましたが、紳士はしなやかなシルクハットを被っているだけでした。
紳士は、骨張った頬や手に氷雨が触れるのも厭わず、馬車に棺を入れようと、もくもくと働いています。
棺は六角形をした硝子製で、その上を白い蝋状のもので覆われていました。
垂れ落ちた蝋が幾重にも連なり、盛り上がりと窪みを繰り返して凹凸を作ったような様子です。
その隙間からは棺の中を覗けそうなのです。
けれども、いますこし、というところで、蝋のようなものが視界をさえぎりるのでした。その上、棺の顔の位置にある蓋の部分は、壊されかけていて雷のような亀裂が入っており、ますます中を見にくくしていました。...


『少女の音色』
13歳の冬に見附けた素敵な建物.
其処は気難しい老女の営むコルセット美術館だった.
通いつめるうちに秘密の部屋を覗いてしまったすみれ子は...

・形式/小説<中編>
・400字詰原稿用紙100枚
・価格未定

*次回の参加展示即売会は詳細が決まり次第、
Informationに情報upします.
*本文は所有権を有しているものです.
無断掲載・転載、模倣、その他それに準ずる行為は固く禁じます.

|

« 乙女本{乙女とギタリスト} | トップページ | 乙女本{悪魔の花束#鈴蘭の章} »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/148725/6780797

この記事へのトラックバック一覧です: 乙女本{少女の音色}:

« 乙女本{乙女とギタリスト} | トップページ | 乙女本{悪魔の花束#鈴蘭の章} »