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2007.03.14

乙女本{悪魔の花束#ミモザの章}

乙女本:残酷で繊細な乙女に生まれついた貴女の為の物語.

今月発売予定の『悪魔の花束』から、一部抜粋して掲載いたします。

・ミモザの章“彼方の手記”より冒頭

 小さな白い十字架が永遠のように並ぶ、処刑者の墓。ひとつの十字架の
下に置かれた本が、持ち上げられる。細いしなやかな指先が、本に積もっ
た埃を払う。
 リリは、気まぐれにその本を開き、ちかちかと光る陽射しを避けながら、
森を抜け、草原へ進む。
『わたくしがあの悪魔に出会ったのは、春の初めのことでした。
 草原の緑と花木の黄、そのコントラストの中に、黒いロングコート姿で
佇んでいたあの悪魔は、美しくて禍々しい、素晴らしく完成された顔だち
の、わたくしの中で思い描いていた理想の少女そのものでした。腰まで届
く、大きくうねった琥珀色の髪。通った鼻筋のしたには、ぽってりとした
小さな潤んだ唇。小さな顔に影を落とすほど長い睫の中で、くっきりとし
た大きなエメラルド色の瞳が揺れ動いていました。噂通りの美少女でした。
身に付けた黒のコートに付いている銀の釦は、襟元からくるぶしまでと、
そで口から肘まで、一列に並んで鈍く輝いていて、悪魔の少女に似合いの
衣裳でした。ですから、わたくしにはその美少女がタイムマシンを操る悪
魔のリリだ、とすぐにわかったのです。
 その時リリは…


『悪魔の花束』
〜悪魔の少女リリが操る鳥籠エレベータは、
 過去へ行くことのできるタイムマシン.
 貴女なら、何時へ赴き何を叶えますか?〜

・鈴蘭の章“聖少女の行方”
・桜の章“淳一ゆかた”
・薔薇の章“薔薇の精”
・かすみ草の章“雪の子ども”
・ミモザの章“彼方の手記”

・形式/小説<連作短編集>
・400字詰原稿用紙100枚

*発売について詳しく決まり次第、情報upします.
*本文は所有権を有しているものです.
無断掲載・転載、模倣、その他それに準ずる事項は固く禁じます.

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